昨年はビリ。
何とかしてやりたい。
でも、早起きは辛かった。
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- 私は3人娘(10歳、4歳、2歳)の父親である。小4の娘は、運動が苦手で特にマラソンが嫌いである。毎年マラソン大会はビリ。そのせいか娘は自信がない。何かと「どうせやってもダメだから」と開き直る。そこで娘の特訓を自らやることにした。これは父と娘のマラソン特訓の記録である。
11月22日(土) 27日目
今日は学校が休みなので、
といっても、「パパ、遊ぼうよ」と下の子たちに起こされる。
おいおい、まだ、6時40分だぞ。
これじゃ、いつもと変わらないじゃないか。
2歳と4歳の娘には、そんなことは通じない。
あきらめて、かくれんぼに付き合う。
ひとしきりして、リビングに行くとまだ長女はいない。
さすがに寝ているようだ。
練習どうしようかな。
もちろん、やるのはやるのだが、下の子もいるし、仕事にも顔を出さないといけない。
明後日は塾(サピックス)の「組分けテスト」だから、勉強を見るように妻にも頼まれている。
なんとなく時間が過ぎ、焼き芋をやることになった。
我が家には私の趣味で火鉢がある。
結構立派な関西長火鉢で、総欅造の自慢の火鉢だ。
なんだか私は火が好きで、休みの日に家にいると火鉢で備長炭に火をつける。
下の子が手を入れると危ないので、ピッタリはまるように職人さんにステンレスの焼き網を作ってもらっている。
まあ、そんなことはどうでもいいのだが、そうこうしているうちに娘の友だちから電話が来た。
遊びの誘いのようだ。
マラソンの練習は、午後からとして遊びを許可した。
昼食は面倒なので近くの定食屋ですまし、娘に着替えるように言った。
しばらく待つが娘は上がってこない。
上がってこないというのは、我が家は5階建てのビルでその一番上に住んでいる。
下の階は賃貸にしているのだが、1階だけは子どもの遊びスペースにしているのだ。
1階で下の娘たちと遊んでいて上がってこないのだ。
電話をして、すぐに上がってこないように言ったがなかなか来ない。
しばらくして、妻から電話があり、買い物を頼んだとか。
昼食から帰って1時間過ぎている。
なんだか頭にきて、会社に行くことにした。
私だって暇なわけではないのだ。
支度をして1階に下りたら、娘たちが買い物から帰ってきたので
「パパは今から会社に行くから、着替えて走ってきなさい」
「えっ、ムリ」
「ムリじゃない。来なさい」
自宅から会社まで、2キロほどである。
会社と言っても、そこは私専用のちょっとした事務所である。
従業員は別の事務所にいるので、子どもが来ても平気なのだ。
メールチェックとか、ちょっとした仕事をこなしていると、娘が来た。
真面目に走ってきたらしく、結構汗をかいている。
小4くらいだと、なんだかんだ言ってまだ素直だ。
キリがいいところまで終わらせて、マラソン練習を開始した。
まずは、自宅までのランニング。
早稲田通り?諏訪通り?早稲田大学正門?自宅という、ちょっと遠回りのコースを設定した。およそ3kmほどか。
「よし、15分を目標にしよう。ヨーイ、スタート!」
「走り方が美しいよ。いいよ。いいよ」と横から自転車で声をかける。
実際、最初の頃から考えると、腰の高さ、腕の振り方、蹴り足、どれをとってもまともになった。
明治通りまできた。
ちょうど信号が青に変わり、ストップしない。
早稲田通りの馬場下の交差点、ここでも信号がちょうど青に変わり、ノンストップ。
さらに、早稲田大学の大隈講堂の手前の右に曲がってからも、信号にかからなかった。
その間、ずっと「いいよ。いい感じだよ。早くなったね」と声をかけ続けた。
途中「ひざが痛い」と言ったが、
「そうか。ひざのどこが痛い?・・・うん。それは大丈夫。いい感じだよ」
とわけのわからない理屈で走らせ、自宅に到着した。
結局、一度も休まず、歩かず、走り通したのである。
タイムは、15分ほど。
これには、ジーンときた。
あの、200mもまともに走ることができなかった子が、3kmを走り通したのだ。
「すごい。すごいよ。よく頑張った。よし、次は公園に行って練習しよう!」
「ええ?っ!!本当にムリ。もう走れない」
「うん。そうだね。もう走れないね。だから軽めにやろう」
とオウム返しをして、公園に連れて行く。
妹2人(2歳、4歳)も、ついてきた。
今日はすでに5kmは走っている。
さすがに軽めにしてあげよう。
でも、こういう疲れている時が「よいフォーム」を作るチャンスなのだ。
ゆっくり200mを走るように指示する。
「そう!ゆっくりだけど、腕は綺麗に振るぅ!そう、その感じ、カッコいいよ」
「よし、次は少しスピードをあげてみよう」
でも、さすがにスピードは上がらない。
心が折れているとか、そういう問題じゃなく、本当に疲れている感じだ。
「よし、最後の練習だ。モモ上げをやろう。モモ上げ100回!いいよ。ゆっくりでいいよ」
100回終える。
「最後、仕上げにそこの木から、この木まで7秒切ったら終わりにしよう」
いつもの調子で、7秒弱でストップウォッチを押す。
「よし!終わり。お疲れさま。今日は良く頑張ったね」
ちょっと手ごたえを感じた。
気がついたら辺りは暗くなっている。
そういえば、ついてきた下の子たちを忘れていた。
公園にはもう誰もいない。
下の子2人は、真っ暗な砂場で砂だらけになっていた。
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